【はじめに――冒頭陳述】
【深読みしすぎる女】
【「モテない」が口癖の女】


「はじめに――冒頭陳述」


いつからでしょう。
「まだ結婚していない」というだけでこんなにも居心地が悪くなってしまったのは。
負け犬という言葉が流行した頃。「まだ結婚していない女性」が「結婚できない女性」、そして「結婚を諦(あきら)めた女性」と周囲から勝手に囁(ささや)かれるようになり、焦りと苛立ちを覚えた人も多いことでしょう。
また、近年の「婚活」ブームではマスコミが大々的に報道した経緯もあり、「まだ結婚していない女性」が「もう結婚できない女性」になることを恐れ、受験のような競争率で婚活にいそしんでいます。
しかし、それでも「まだ結婚していない女性」が社会にはあふれています。
本来ならば、仕事も恋も頑張って誰もが憧れるようなかっこいい女性になるはずだったのに、シングルであるというだけで犯罪者のような罪悪感を感じてしまう。
そして、両親、上司、既婚の女友達は、まるで裁判員かのような厳しい目で容赦なく「手遅れになる前に早く結婚したほうがいい」と判決を下してきます。
あまりにも周囲が騒ぐのでビジネス書の教えを実践するかのごとく、モテ本に書いてあることを実践し「結婚」という目標に向けて邁進(まいしん)してみるも、成果の出ない毎日に声にならない悲鳴をあげ、自分のモテなさっぷりに意気消沈してしまう結果に。
正直、そんな生活に疲れていませんか?

仕事だってきちんとしている。
「モテそうなのにね」って友人に言われる。
常識もあるし、人に優しくだってできる。
メイクだって服だって品があるし、趣味だって実は多彩である。

なのになのに、女として、人間として、結婚していないだけで「敗者」のような気持ちになる。なんだか、疲れますよね。ただ、幸せでありたいと願うだけなのに、努力しても仕事とは違って結果が出ない。正直、泣きたくもなります。
しかし、二十代の頃と違ってなぜこんなにもモテないのか。不思議じゃありませんか?

その謎を解き明かすヒントは、昔、テレビで放送されていた《アメリカ横断ウルトラクイズ》にあるような気がします。番組の中で「知力、体力、時の運、勝てば天国負ければ地獄」というナレーションがありましたが、
知力(モテ知識)
体力(結婚への行動力)
時の運(デキ婚etc)
勝てば天国(結婚)
負ければ地獄(おひとりさまの老後)
と置き換えるとあら不思議。
まるで「婚活」まっただなかの女性に贈る言葉のようです。
そういえば、○×泥んこクイズなんてのもありましたよね?
二択のクイズで○か×に飛び込んで、不正解を選ぶとそこには泥の沼があって泥まみれになってしまう。「こっちが正解よ!」と張りきった顔で不正解を選び泥んこになる回答者を見ると、なんだかおかしくて笑ってしまった思い出があります。

これ、実はみなさんにも言えること。
もしかしたら、みなさんがモテないと嘆いているのは、努力が足りないわけでも見た目がダメなわけでも料理ができないからなわけでもないかもしれません。
そう! もしも、恋愛におけるちょっとした「しくじり」で不正解を選び、泥んこになっているだけだったら?
ウルトラクイズには敗者復活戦がありました。人生だって同じです。
慌てる必要も恐れる必要も悲しむ必要もありません。
もう敗者なんて言われない・思わないように日々の些細(ささい)な「しくじり」を学んで敗者復活すればいいんです。

本書では「頑張るわたし」が陥(おちい)りがちな、大いなる勘違い&落とし穴を「女のしくじり」としてご紹介してまいります。申し遅れましたが、わたくし、モテないゲイ・日本代表のゴマブッ子と申します。「あの女ブログ」というブログでモテない女性の生態を観察して丸三年。自身のモテない体験やモテる女の法則を含め、街で見かけるありふれた女性たちを客観的な視点で分析してまいりました。そんなモテない目線のわたくしが本書で、「女のしくじり」を面白おかしく綴(つづ)り、貴女(あなた)の敗者復活のお手伝いをさせていただけたら幸いです。
人には向き不向きがあります。
若い子が読むためのモテ本を読んでみたり、話すのが苦手なのにお見合いパーティーに出席してみたりすることは、サイズの合わないブラで背中から肉がはみだしたり、いい歳したオトナが《CanCam》をファッションのお手本にしているのと同じこと。
まずは、貴女が何でしくじっているのか、一緒に学習してまいりましょう!


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