『女のしくじり』担当編集者の編集後記

三十代、独身、都内のワンルームで猫と二人暮らし。
連日の深夜残業と仕事のプレッシャーでストレスMAX! たまの息抜きは夜更けの編集部宴会(オール女子)。
そして、アポの帰り道、電車の窓に映るお疲れ気味のほうれい線の女を見て、あれはアタシじゃない (絶句) !!……と、負け犬街道まっしぐらだったある日、ふと目に飛び込んできたブログ――それが忘れもしない、ゴマブッ子さんとの強烈な出会いでした。

カフェで、居酒屋で、電車の中で、街で見かける女子の生態をリアルに綴った「あの女」というテーマの文章の数々。ブラックなのにどこか優しくって、気づくと泣き笑い。
いてもたってもいられなくなり、はじめてお目にかかった日に、ぜひ悩める女子のための本を書いてほしい! と強引に、半ば公私混同気味に口説き倒したのです(いま思うと、あまりの前のめりっぷりに若干引かれていたかもしれませんが・笑)。

考えてみると、この力技をプライベートでも発揮できていればとっくに嫁にいけていそうなもの。
けれど、いざステキな男子を前にすると「わたしを強引に奪い去って!」と完全待ち受けモードに入ってしまうから始末が悪い。自分が「猫」どころか「猛獣」の皮をかぶってるために男達が恐れをなして逃げていくことに気づいてないんですから……ふぅ。まさに、とんだ「しくじり」です(泣)。

とはいえ、昨今の婚活ブームで「市場」に出た(というか無理やり出された)女性たちの多くが「不当な評価」にさらされているのではないか、それが今回取材をするうちにリアルに肌で感じたことのひとつ。シングル女性はやっぱりイタい……そんな見えない空気感は、まるで、世界中を席捲したあのドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』人気の揺り戻しのようにも思えました。
三十過ぎで独身のオンナってやっぱりイケてないの?
アラサー以上は、恋や結婚に全く理想を求めちゃいけないの?
いつの時代も大人しくって家庭的なコじゃなきゃモテないの?
そうした問いの答えを、ある意味、著者ゴマブッ子さんは本書を通じてわたしたちに示してくれているような気がします。

「女のしくじり」という、一見ネガティブなタイトルとは裏腹なメッセージ。それをどう読み取るかは、読者のみなさん次第。
けれど、『セックス・アンド・ザ・シティ』の主人公キャリーにスタンフォードという心強い親友がいたように、ここにも頼もしい味方がいる。
そしてなにより、仕事や女磨き、友人や家族を大事にすることすべてに一生懸命な「わたしたち」への応援歌として本書を紡ぎあげたことを、ここにお伝えできたら幸いです。

2009年11月 編集O

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